スリーパー効果とは【情報は覚えていても、情報源は忘れる】

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スリーパー効果とは

スリーパー効果とは、情報を得た情報源を時間の経過により忘れてしまうことで、情報の説得性が上がる現象のことです。

情報源の信頼性が低く、最初は「信頼できない」と判断していた情報であったとしても、時間の経過により情報源を忘れてしまうことで、説得性が増します。

スリーパー効果の例

ネガティブキャンペーン

選挙のライバル候補や他社製品に対する誹謗中傷を行うことを、ネガティブキャンペーンと言いますが、ネガティブキャンペーンはスリーパー効果を活用した施策です。

誹謗中傷を聞いて良い気持ちになる人はいません。

「こんな誹謗中傷をしたら、誹謗中傷をしている側も損をするのではないか」と感じます。

確かに最初はネガティブキャンペーンをしている側の印象も悪くなります。しかし、スリーパー効果により、情報の発信源については時間の経過と共に忘れ去られ、ネガティブキャンペーンの内容だけが記憶に残ります。

都市伝説

都市伝説ってありますよね。

最もらしい話なのでついつい信じたくなりますが、これはスリーパー効果による影響と言えます。

都市伝説は、よくできた作り話です。誰かが作った作り話が、よくできたストーリーにより時間の経過とともに信憑性が増し、人から人へ伝承され、都市伝説となります。

迷信

世の中には様々な迷信がありますが、これらの一部はスリーパー効果により言い伝えとして残っているものがあると考えられます。

迷信と呼ばれるものにもそれぞれ根拠があり、その根拠がスリーパー効果によって時間と共に信憑性が強化され、今日まで残っている可能性があります。

勝手な推測ですが、迷信のいくつかは一個人が思いつきで最もらしい理由をつけて言ってみたことが、スリーパー効果により広まっていったものもあるのではないかと思います。

スリーパー効果の影響を回避するために

スリーパー効果の影響を回避するためには、信頼性の低い情報源からの情報を遮断することが効果的です。信頼性の低い情報源からの情報をシャットアウトすれば、スリーパー効果が発揮されるシチュエーション自体がなくなります。

信頼性の高い・低いについての最終的な判断は個人の価値観次第です。1つの考え方として、「広告」や「無料」で手に入る情報は、スポンサー等の意向が反映されている可能性がある情報と言えますので、信頼性が高いとは言いにくいと考えられます。

良質な本などから情報を仕入れ、自分の頭でしっかりと考えることが唯一の対応方法かもしれません。

スリーパー効果に関する参考文献

 ⇒情報を正しく選択するための認知バイアス辞典【参考文献紹介】

 ⇒認知バイアス見るだけノート【参考文献紹介】

 ⇒有斐閣 現代心理学辞典【参考文献紹介】

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