マジカルナンバー7±2とは【人間の短期記憶量の限界】

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マジカルナンバー7±2とは

マジカルナンバー7±2とは、人間の短期記憶やワーキングメモリの情報処理能力の限界のことです。個人差はありますが、人間の短期記憶の限界容量は7±2と言われています。

記憶する項目のひとかたまりを「チャンク」と言い、そのチャンクの置き場が人には7±2しかありません。

なおマジカルナンバーについては、「7±2」という説以外に「4±1」という説もあります。

また、マジカルナンバーは魔法数とも言います。

短期記憶とは

短期記憶とは、数秒から数10秒程度の保持時間を持つ一時的な記憶のことです。

ワーキングメモリとは

ワーキングメモリとは、作動記憶・作業記憶と呼ばれ、認知課題遂行中に一時的に必要となる情報の保持や、そうした働きを支えるシステムのことです。

入ってきた情報を取捨選択・整理整頓する能力と言えます。

チャンクとは

チャンクとは、ひとまとまりの心理的な情報の単位のことです。例えば、日本語を勉強中や覚えた手の人は「チャンク」という言葉を認識するときに「チャ」「ン」「ク」と音ごとに認識するため、記憶容量のうち3チャンクを使用する可能性がありますが、日本語を普段から使っている人であれば「チャンク」という1単語として認識するため、1チャンクのみの使用となります。

マジカルナンバー7±2の実例

マルチタスク

マルチタスクができると毎日の仕事が捗りそうですが、人間にはマルチタスクはできないといった説もあります。

マルチタスクの可否についてはわかりませんが、人間の短期記憶・ワーキングメモリの限界がマジカルナンバー7±2であることを考えると、仮に2つのタスクを同時に行なった場合はそれぞれのタスクに振り分けられる能力が半分になることは容易に想像ができます。

1つのタスクに7±2の能力を集中させるのと、2つのタスクそれぞれに3±1の能力を降り分ける、どちらがトータルで効率が良いでしょうか。

新人とベテラン

新人とベテランでは仕事の速さや質が全く違いますが、それは習熟度によるチャンクの違いと考えることができます。

新人は作業に慣れていないため、1つの作業を行う際に様々なことを考え・確認・思い出しながら仕事をしています。そうなると必然的に多くのチャンクが生まれ、ワーキングメモリがすぐにいっぱいになってしまいます。

一方、ベテランは作業を習熟しているため、1つの作業を1つのチャンクで行うことが可能なため、次の作業の段取りなども並行して考えることができ、結果的に質が高い仕事が可能になっています。

集中力

「集中力」についてもマジカルナンバーが深く関わっています。

何かに集中するためには、自分が持っている短期記憶・ワーキングメモリの全てをその対象に向ける必要があります。

作業に集中しようとしているときに、何か心配事があったり、スマホやPCでSNSの通知などがきたりした場合、ワーキングメモリがそちらに奪われて、作業に向ける容量が減り、結果的に成果が出ず「集中できていない」という状況になります。

マジカルナンバー7±2の活用方法

繰り返しになりますが、人間の短期記憶・ワーキングメモリは有限であり、7±2のチャンクです。

その有限のチャンクを有効に活用するためには、「チャンクを大きくする」か「チャンクを節約する」という方法しかありません。

「チャンクを大きくする」ためには、作業等の習熟度を上げる必要があります。

「チャンクを節約する」ためには、雑念が入り込む余地がない環境を整備し、心身共に健康であることが大切です。

マジカルナンバー7±2の参考文献

 ⇒有斐閣 現代心理学辞典【参考文献紹介】

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