正の強化とは
正の強化とは、ある反応に後続してある刺激を提示したときに、将来類似の反応の生起頻度が高まることです。
簡単に説明すると、ある行動の後に特定の刺激を与えた結果、その行動が将来的に増えることです。
もっとも代表的な例は、好ましい行動の後にご褒美を与えることで、その行動が増えることです。
行動が増えることを「強化」と言い、何かを提示することを「正の」と表現します。
「正」の「強化」についての補足説明
強化子
反応の後に提示・除去されることで、その反応の生起頻度を増加させる機能を持つ刺激です。
「反応に随伴して頻度増加の原因となった出来事」と言えます。
例えば、良い行動に対して報酬を与えてその行動の生起頻度を増加させる場合、「報酬」が強化子に該当します。
強化と弱化の違い
「強化」は行動が増えることです。
「弱化」は行動が減ることです。
何かをした結果、行動が増えれば「強化」ですし、
反対に、何かをした結果、行動が減れば「弱化」と言います。
正と負の違い
「正」は、刺激を「提示」することです。
「負」は、刺激を「除去」することです。
何かの行動の後に、何かを「提示」した結果、将来的に行動が増えた場合は「正の強化」と言います。
例えば、好ましい行動の後にご褒美を「提示」した結果、行動が強化される場合などが一般的です。
何かの行動の後に、何かを「除去」した結果、将来的に行動が増えた場合は「負の強化」と言います。
例えば、病院に行くという行動の結果、痛みが「除去」されて、将来的に病院へ行く回数が増えた場合などが一般的です。
強化に関する補足説明
強化の即時性の重要性
行動の強化のためには、即時性がとても重要です。
反応から強化までの時間が遅くなると強化の効果が弱くなると言われており、「0秒遅延」に比べると「1秒遅延」は効果が弱くなります。
強化の即時性についての人間に関してのデータはありませんが、動物実験のデータによると「30秒」までは決定的な喪失は起らないことが示されていますが、1・2分で限界を超えると言われています。
即時性が重要な理由は、「反応」と「刺激」の間隔が開くほど誤った反応を強化してしまう恐れがあるためです。
強化は1秒でも早く、遅くとも60秒を超えないようにすべきです。
強化の自動性
強化が起こるためには、「行動」と「刺激」の関係性を理解したり言語化する必要はなく、気づくことすら必要がないと言われています。強化は本人の認知とは関係なく自動的に生じるため、「強化の自動性」と言われます。