強化子とは
強化子とは、反応の後に提示・除去することで、その反応の生起頻度を増加させる機能を持つ刺激です。
「反応に随伴して頻度増加の原因となった出来事」と言えます。
例えば、良い行動に対して報酬を与えてその行動の生起頻度を増加させる場合、「報酬」が強化子に該当します。
強化子をステップで表すと以下のとおりです。
(例)子どもが親のお手伝いをする
(例)親からお小遣いをもらう
(例)子どもが自発的にお手伝いをするようになる
強化子の分類
強化子を起源により分類をすると、「無条件強化子」と「条件性強化子」があります。
「無条件強化子」は生物の進化の所産としての強化子です。
「条件性強化子」は個人の学習の履歴と結果としての強化子です。
無条件強化子
学習歴が全くないのに、その刺激が強化として働く事象・物を無条件強化子と言います。無条件強化子は進化の歴史の所産であり、同じ生物であれば誰しもに対して強化子として働きます。
無条件強化子の例として、食べ物・水・酸素・ぬくもりなどがあります。
「無条件」で「強化子」として働くものが「無条件強化子」です。
無条件強化子の同義語として、「1次強化子」「非学習性強化子」という用語を使うこともあります。
本能的に必要
というイメージですね!
条件性強化子
条件性強化子とは、過去に別の強化子との対提示を通じで強化子としての働きを獲得したものです。元々は中性の刺激だったものが強化子としての働きを獲得したものと言えます。
条件性強化子は理屈上なんでも条件性強化子になる可能性はありますが、よくある例として「光の点灯」「心地よい音」「賞賛」「注目」「スタンプ」「シール」などがあります。
過去の経験などから一定の「条件」を満たしたときに強化子として機能するようになった刺激が「条件性強化子」です。
条件性強化子の同義語として「2次強化子」「学習性強化子」という用語を使うこともあります。
経験で習得
というイメージですね!
強化子の種類
強化子は形式的な種類によって分類することができます。
食物強化子
食物強化子とは、食べ物や飲み物のことです。食物強化子は、最も典型的な無条件強化子です。
「何か望ましい行動をした場合に食べ物を与える」
といった形で「食べ物」が強化子として機能します。
感覚強化子
感覚強化子とは、人間の5感に作用することで強化子として働く刺激のことです。
「音」「光」「触覚(撫でる)」などがあります。
「課題をクリアした時にファンファーレが鳴る」
といった形で「ファンファーレ」が強化子として機能します。
レベルアップの音
気持ち良いですよね!
あれが感覚強化子です!
有形強化子
有形強化子とは、様々な品物をもらうことにより強化子として働く刺激のことです。
「ステッカー」「カード」「アクセサリー」などあり、もらったら嬉しいものというイメージです。
「何かをやったらご褒美としてシールがもらえる」
といった形で「シール」が強化子として機能します。
子どもの頃を思い出してください!
一生懸命、物を集めてましたよね!
活動性強化子
ある特定の自分の行動が強化子として働く場合、その行動を活動性強化子と言います。
活動性強化子は、日頃から行なっている自分の好きな活動(「遊ぶ」「読書」)や、普段できない特別な活動(「旅行」「大会出場」)などがあります。
「宿題が終わったら、ゲームができる」
といった形で「ゲーム」が強化子として機能します。
自分へのご褒美ですね!
社会的強化子
ある特定の他人の行動や他人との接触により行動が強化される場合、その行動や接触を社会的強化子と言います。
「注目」「賞賛」「身体的接触(ハグや握手など)」などがあります。
「良い業績を上げることで、他人から注目される」
と言った形で「他人からの注目」が強化子として機能します。
マネジメントや子育てにおいて
一番活用しやすい重要な強化子です!