損失回避性とは【人間は損が大嫌い!】

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損失回避性とは 

損失回避性とは、利得と損失による心理的効果を比較した場合、損失の効果が大きくなる性質である。

 例えば、参加費1万円のくじ引きで2分の1の確率で2万円が当たるとすると、収支結果のパターンはそれぞれ50%の確率で「ハズレの場合は1万円の損」「当たりの場合は1万円の得」となります。この時、1万円得した時の喜びよりも、1万円を損した悲しみの方が大きくなります。

損失回避性の実例

塩漬け株

株式投資、したことありますか?

値下がりした株を売るのを嫌ですよね。「いつか値上がりするはず」と考えてついつい持ち続けて、塩漬け状態になった経験は誰しもがあると思います。

なぜ、値下がりした株を売るのが嫌だと感じるのでしょうか?それは、売った瞬間に損失が確定するからです。人間は損失が大嫌いです。値上がりする見込みがなかったとしても、株を持ち続けて損失が確定することを避けようと行動してしまいます。

人事評価

人事評価って難しいですよね。特に悪い評価をつけるのは本当に難しいです。悪い評価をつけて納得する人はなかなかいません。

良い評価をもらったときの喜びと悪い評価をもらったときの悲しみを比べると、どう考えても悪い評価の時の悲しみの方が大きいです。

その感情が「損失回避性」です。

メリットよりデメリットを伝える

人を動かそうと思った時に、一般的にはメリットを伝えるよりも、デメリットを伝えた方がインパクトを与えることができます。

「今買わないと損ですよ」

「これをやらないと○○になってしまいますよ」

のようにデメリットを伝えることで、損失回避性が働き、強い印象を与えることができます。

食べ放題で元を取る

食べ放題行ったら、ついつい食べ過ぎてしまいますよね。なぜでしょうか?

食べ放題は定額を払うと好きなだけ食べられるサービスです。そのため、たくさん食べないと損という感情が働き、結果的に食べ過ぎてしまいます。

「たくさん食べないと損」と言う考えは、冷静に考えたら意味不明ですよね。食事は投資ではないですよね?損をしないために食事に出かけてるわけではないですよね?

損失回避性は強力な認知バイアスなので、要注意です。

貯金好き

日本人は貯金好きで投資が嫌いと言われています。貯金の魅力はなんでしょうか?貯金と投資を比較した時、貯金の最大の魅力は「損をしない」

ということです。

投資は得をする時もあれば損をする時もあります。一方、貯金は少なくとも額面上は損することはありません。この、「損をしない」と言う魅力は、まさに「損失回避性」によるものと言えます。

ただ、貯金はたしかに額面上は損しませんが、インフレの場合は実質的に損をしていることになるので、これからの時代は投資が必要だと思っています。

損失回避性と上手に付き合うために

損失回避性について色々と例を記載しましたが、そもそも、「損失回避性」と言う特性は人間が健全に進化するためには当然の特性と言えます。

今から食べようとしている食事の量がゼロになる悲しみと、今から食べようとしている食事の量が倍になる喜び、同じわけがありませんよね。現代は冷蔵庫などで食べ物を保存できますし、すぐに買い物に行けるので、食べ物の増減は大きな問題にはなりません。しかし、大昔はそんな技術はありません。食事が急に無くなることは、生存できるかどうかに直結します。

人間が進化するためには必要だった特性が、現代社会においては正しい判断を阻害している。これが認知バイアスです。

参考文献

 ⇒ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか?【参考文献紹介】

 ⇒認知バイアス見るだけノート【参考文献紹介】

 ⇒認知バイアス大全「『脳のクセ』に気づけば、見かたが変わる」【参考文献紹介】

 ⇒think right【参考文献紹介】

 ⇒トリガー 人を動かす行動経済学26の切り口【参考文献紹介】

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