食べ放題を認知バイアスの観点から考える【食べ放題と上手に付き合うコツ】

目次

この記事で伝えたいこと

食べ放題って魅力的ですよね!

この記事では、認知バイアスの視点から、食べ放題との上手な付き合い方についてお伝えします。

ネットで「食べ放題」と検索すると、セカンドワードとして「コツ」という言葉が出てきて、「食べ放題で元を取る方法」みたいな記事が多く出てきますが…本来の食べ放題の目的は「元を取ること」ではないはずですよね?

「なぜ、食べ放題に行くと元を取ろうとしてしまうのか」

「なぜ、食べ放題に魅力を感じるのか」

「なぜ、食べ放題に行くと食べ過ぎてしまうのか」

この記事では、このような点について認知バイアスの観点から考察します。

食べ放題を認知バイアスの観点から考える

決定回避の法則

食べ放題に行く前に、「今日のご飯をどうするか」「どこに食べに行くか」「何を食べるか」といったことを考える必要があります。いろいろ選択肢があると悩みますよね。人間は多くの選択肢から何かを選ぶことが苦手で、後回しにする傾向があります。これを、「決定回避の法則」と言います。

お店にもよりますが、食べ放題のお店は様々な食べ物の中かから自分が好きなものを選んで食べることができるため、実際に何を食べるかを直前で決めることができ、決定を後回しにすることができます。そのため、「とりあえず食べ放題に行くか」といった選択をしやすくなります。

食べ放題ではありませんが、回転寿司が人気の理由も「決定回避の法則」が影響している可能性が十分あります。

気分一致効果

気分一致効果とは、自分の気分に沿って物事を記憶したり思い出したり判断したりする傾向です。

食べ放題に行く時はどのような時ですか?きっと、お腹がとても空いている時ではないでしょうか?お腹が空いている時は、そのことで頭がいっぱいになり、食べ放題でお腹いっぱい食べたいと考えがちになります。空腹状態の時は「よし!食べ放題に行ってたくさん食べよう!」という気持ちで食べ放題に行きたくなります。

空腹時には満腹の状態を想像しにくいですし、逆に満腹時は空腹状態を想像しにくいです。

損失回避性

損失回避性とは、利得と損失による心理的効果を比較した場合、損失の効果が大きくなる性質です。

食べ放題は定額で好きなだけ食べることができるサービスです。

損をしないように食事をしようと考えた場合、通常は「安くて満足できる物を食べよう」という発想になりますが、食べ放題の場合は料金が一定なので「損をしないためには、なるべくたくさん食べよう」という発想になります。「損をしないためにたくさん食べる」=「食べ放題で食べ過ぎる」という行動につながってしまいます。

決断疲れ

決断疲れとは、数々の決断を繰り返すことにより疲労が蓄積し、決断の質が下がる現象です。比較・吟味・決断という行為は思っているより疲れる行動であり、これらの行為を繰り返すと安易な判断をしがちになります。

食べ放題では、何かを食べる都度、食べる物を選択しています。そのため、選択の繰り返しにより自分では気がつかないうちに決断疲れに陥ってしまいます。決断疲れに陥ると、判断の質が下がり安易な判断をしやすくなります。食べ放題における安易な判断とは、「目の前のものを食べる」

「甘そうな物を食べる」「美味しそうな物を食べる」などの行動であり、いずれも食べ過ぎにつながりやすい行動です。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、元々興味がなかったものでも、人気があると分かると興味が出る傾向です。

食べ放題は、定額を払うと好きなものが好きなだけ食べることができます。周りの人が食べているものや店がオススメしているものについて、最初は興味がなかったとしても、バンドワゴン効果によりどんどん興味が出てきます。特に食べ放題の場合は追加で何かを食べることに関する金銭的なコストがありませんので、結果的に食べ過ぎてしまいます。

食べ放題と上手に付き合うために

食べ放題と上手に付き合うために、まずはこれらの認知バイアスについて認識することが大切です。認知バイアスは心の錯覚なので、認識したとしても完全に排除できるものではありませんが、バイアスにはまっていることに気付くことはできます。

この記事では様々な認知バイアスを紹介しましたが、「食べ放題で食べ過ぎる」という点に最も関係する認知バイアスは「損失回避性」です。「損失回避性」は強力です。人間は損することが大嫌いです。

食べ放題では

「たくさん食べる」=「得」

「少ししか食べない」=「損」

という感覚になりがちですが、その考え方は誤りです。

外食の本来の目的は「満足すること」「楽しむこと」ではないでしょうか?「たくさん食べること」が目的ではないですよね。

それを意識するだけで食べ過ぎを抑制しやすくなります。

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