対応バイアスとは
対応バイアスとは、行動の原因を個人の内面に帰属させる傾向であり、誰かの行動を見た時にその原因を直ちにその人の性格のせいにして考えることです。
人間は自分の行動については「理論的に判断・行動している」と考えていますが、他人の行動については「あの人は〇〇な性格だから」のように性格のせいにします。
対応バイアスの実例
日常の対応バイアスの実例に紹介します。
嫌いな人
誰でも「嫌いな人」が1人ぐらいはいるかと思いますが、なぜ、その人のことが嫌いなんでしょうか?
なぜその人のことが嫌いなのか理由を聞かれたら、
「あの人は〇〇な性格で、私には合わないから」
と答えたくなりますが、この発想が「対応バイアス」の可能性があります。
嫌いな人の行動の原因を性格のせいにしてしまう考え方が「対応バイアス」です。
他人も自分と一緒で、自分なりに考えて論理的に判断して行動をしています。他人の行動の理由を性格に直結させてしまうのは「認知バイアス」であり、「対応バイアス」です。
周りの人間はみんな馬鹿
「自分以外の周りがみんなが馬鹿だ」と考えてしまっている人、たまにいますよね。「そんなことを言っている自分が一番馬鹿ではないか…」というツッコミはさておき、この「自分以外の周りがみんなが馬鹿」という発想は、対応バイアスの賜物です。
自分はさまざまな情報を収集し、それらの情報に基づき、論理的・合理的判断に基づき行動している。一方、周りの人間は自分の性格に基づき感情の赴くままに行動している。
このように考えてしまうのが対応バイアスです。
あの人は○○な人だから
この一言が対応バイアスを物語っています
「あの人は真面目だから」
「あの人は几帳面だから」
「あの人は時間にルーズだから」
「あの人はいい加減だから」
こんな発言が聞こえたら、それはきっと対応バイアスです。
対応バイアスと上手に付き合うために
対応バイアスは「自分の行動は理論的だが、他人の行動は性格に左右される」と考えてしまう傾向のことです。他人の行動について考える時、その人の置かれている状況や情報量などを考慮せずに、その人の「性格」の一言で片付けてしまっていませんか?
対応バイアスの罠にはまらないためには、自分が全てを把握しているわけではないことを理解することが重要です。相手の立場になって、相手の目線になって、しっかりと考えてみましょう。きっと違う景色が見えるはずです。