弱化とは【刺激の変化によって行動が減ること】

弱化とは

弱化とは、行動の直後の環境変化によって将来的なその行動の生起頻度が下がる現象です。

弱化子とは

弱化子とは、行動の生起の直後に随伴して、その種の行動の将来の生起頻度を減らす刺激変化です。

無条件弱化子

他のどんな弱化子とも対掲示されたことがないにも関わらず、その刺激掲示が弱化として機能する刺激です。
無条件弱化子は種の進化の所産であり、種の健全な成員はすべて同じ無条件弱化子に影響されます。
無条件弱化子の同義語として「1次性弱化子」「生得性弱化子」という用語が使われることがあります

条件性弱化子

条件性弱化子とは、条件づけの履歴を持つ結果、弱化として機能するようになる刺激変化です。
条件性弱化子の同義語として「2次性弱化子」や「学習性弱化子」という用語が使われることがあります。

弱化の効果に影響を与える要因 

即時性

反応が起こった後、速やかに弱化子の開始が起こるときに最大の抑制効果が得られます。
タイムラグが長くなればなるほど、弱化の効力が低下します。

強度・大きさ

刺激の強度と反応抑制の関係

弱化刺激の強度と反応抑制の間には正の相関があります。
弱化刺激の強度が大きければ大きいほど、即座に徹底的に行動生起を抑制することができます。

刺激の強度と弱化からの回復の関係

弱化からの回復と弱化刺激の強度との間には負の相関があります
弱化子が強ければ強いほど、弱化が終結しても反応は起きにくいです。
弱化が中断すると、通常、反応に対する抑制効果は永続しません。
弱化が中断した後の反応率は回復するばかりか、弱化の前に起きていたレベルよりやや上回ることもあります。
反応が弱化前のレベルに戻りやすいのは、弱化が軽い時や、弱化随伴性が作動していないことを個人が弁別できる時です。

刺激の強度の変化

弱化として使われた強い刺激であっても、最初は弱く徐々に強められていく場合、弱化としては効力を失う可能性があります

弱化スケジュール

弱化子の抑制効果が最大になるのは、連続弱化スケジュールです。
弱化子が随伴する反応の割合が高ければ高いほど、反応の減少は顕著になります。
ただし、弱化随伴性が打ち切られると、連続弱化スケジュールの方が間欠スケジュールに比べて回復が早くなります。

連続弱化スケジュール

連続弱化スケジュールとは、行動に毎回弱化子を提示するスケジュールです。

間欠スケジュール

間欠スケジュールとは、行動に対して毎回ではなく間欠的に弱化子を提示するスケジュールです。

弱化の副作用と問題

感情的・攻撃的反応

弱化は時に感情的で攻撃的な反応を引き起こします。
弱化は罰のような性質があり嫌悪刺激となります。弱化の後に起こる攻撃行動は、過去にその人が嫌悪刺激から逃避することを可能にした経験により強化された行動です。

逃避と回避

人は弱化を回避するために、嘘をついたり、騙したり、隠したり、その他の望ましい行動を示すことがあります。また、弱化の強度を増やせば増やすほど、逃避や回避が起こる可能性が高まります。

モデリング

特定の面倒な反応を制御しようとして、行動の懲罰的形態を示範(モデリング)すると、その懲罰的形態の真似をして反応する確率を高めてしまいます。
例えば、子どもを叩きながら「痛いでしょ!?叩いたらダメってことがわかった!?」という行為は、子どもが親の言葉ではなく行動を見習う可能性があります。

弱化遂行者の行動に対する負の強化

問題行動に対して叱責を与えたところ即座にその問題行動が止まった場合、叱責をした側に負の強化が働きます。

これは、問題行動の抑制に対して叱責をすることにホウン党派効果がなかったとしても、叱責する側に負の強化が働いてしまいます。

弱化を効果的に使うために

有効で適切な弱化子を選ぶ

弱化子を査定することには、主に2つのメリットがあります。
まず、有効な弱化子を早く特定すればするほど、問題行動への適用は早くなります。また、問題行動の抑制に必要な弱化子の大きさや強度が明らかになれば、最小強度で有効な弱化子を使用することができるようになります。

十分な有効性と大きさの弱化子を用いる

弱化子の有効性は、対象者のたくさんの過去と現在の環境の変数に関係します。
一般的に弱化刺激の強度が強ければ強いほど、行動の抑制も大きくなります。
弱化を行う場合は、十分な強度の弱化刺激から開始することが重要です。なぜなら、弱い弱化刺激から徐々に強度を上昇させた場合、弱化刺激に適応してしまう可能性があるからです。

変化に富む弱化子を用いる

弱化刺激の有効性は、その刺激が反復して掲示されることによって、低下する可能性があります。
変化に富む弱化子を使うことで、馴化効果を妨げる効果があります。

行動連鎖の最初の時点で弱化子を提示する

問題行動が始まったらすぐ弱化を与えることは、その行動連鎖が完了するまで待つよりも効果的です。弱化は問題行動が発生したらすぐに提示すべきです。

最初は行動の個々の生起を弱化する

各々の行動に弱化子が随伴するとき、すなわち「連続弱化スケジュール」による弱化は最も有効になります。
弱化による介入を初めて実行するときは、特に重要です。

徐々に間欠スケジュールに移行する

問題行動が「連続弱化スケジュール」によって減少した後、「間欠弱化スケジュール」によってその効果を十分維持することができます。
その後、「間欠弱化スケジュール」と「消去」を組み合わせることが望ましいです。

弱化の即時性の効果

行動直後に随伴して起こる弱化子の方が、行動が起こって一定時間経過してから提示される弱化しより有効です。

弱化は補助的に使う

弱化を単一の介入として使うのではなく、「分化強化」や「消去」などの手法と併用することで弱化の抑制効果を高めることができます。
問題行動の減少手続きとして分化強化を行う場合、「適切な行動に強化を与える」「問題行動に対しては強化を与えない」という手続きになります。
適切な行動を自発することによって強化を入手すればするほど、問題行動を自発することへの動機づけは弱まります。問題行動の代わりの代替行動を大量に強化することが、問題行動の抑制につながります。

否定的副作用の準備をしておく

弱化によって起こる可能性のある副作用は予見しにくく、別の望ましくない行動の増加につながる恐れがあります。
「逃避」「回避」「感情の爆発」「行動対比」などの問題が起きる可能性があり、これらに対処する計画を立てておくことが重要です。

データを記録しグラフ化し評価する

弱化の介入の初期セッションにおけるデータ収集は特に重要です。なぜなら、弱化子が効果的であれば、弱化の抑制効果は突然起こることが一般的だからです。

弱化の参考文献

 ⇒行動分析学の参考文献