活動性強化子とは【「何かをやる機会」も立派な強化子】

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活動性強化子とは

活動性強化子とは、強化子として機能する「活動に従事する機会」のことです。

通常の強化子は「食べ物」や「お金」といった物理的なものをイメージしやすいですが、「活動に従事する機会」のような非物理的なものも強化子として機能します。

活動性強化子について簡単に解説

行動分析学では、行動の要因を「環境」との因果関係と考えます。すなわち、「環境」によって「行動」が引き起こされるという考え方です。

行動分析学では、行動の直後に「環境が変化」した結果、将来的にその行動の頻度が高まることを「行動の強化」と呼びます。そして、このときの「環境の変化」を「強化子」といいます。要するに、「行動」をしたのちに「ご褒美」という「環境の変化」が生じたら、将来的にその「行動」の頻度が増えるということです。

この「ご褒美」は必ずしも物理的なものである必要はなく、例えば「活動に従事する機会」のような非物理的なものも「強化子」として機能します。この「活動に従事する機会」のような強化子のことを「活動性強化子」といいます。

プレマックの原理

プレマックの原理とは、高いフリーオペラント率で起こる行動に従事するチャンスを、低頻度行動が起こることを条件として与えるようにすると、低頻度行動に対する強化として機能することです。

簡単に説明すると、「気が進まないけどやらなければならない行動」を実施したのち「好きな行動」をできるというルールを設けることで、「気が進まないけどやらなければならない行動」を習慣化できるということです。

「宿題が終わったらテレビを見れる」といったルールが典型です。「宿題をやる」という「気が進まないけどやらなければならない行動」を実施したのち「テレビを見る」という「好きな行動」ができるというルールを設けることで、宿題を積極的にやるようになります。

この現象を研究・発表したプレマックさんの名前にちなんで「プレマック原理」と呼ばれています。プレマック原理を理解することで、活動性強化子による強化を上手に活用することができます。

活動性強化子の実例

以下の実例は、私や家族が実際に行っている行動です。

行動分析学を自分や家族にも活用して、より良い人生を目指しています。

片付けが終わったら動画が見れる

我が家の子供たちのルールです。

夜、寝る前におもちゃの片付けが終わったらipadでyoutubeやAmazonビデオを見ることができます。このルールにより、率先して片付けを行うようになることを狙っています。

この場合「ipadでyoutubeやAmazonビデオを見る」が「活動性強化子」に該当します。

腕立て伏せをしたらTwitterで呟く

これは私のルールです。

健康が気になる年になり、腕立て伏せを習慣化しようとしており、そのためにTwitterを活用しています。

腕立て伏せをするとTwitterで呟くルールにしています。Twitterで呟くと「いいね」などの反応をもらえることもあり、Twitterで呟くことが楽しみになっています。

この場合「Twitterで呟く」が「活動性強化子」に該当します。

子供の世話をして寝かしつけまで終わったらブログを書く

これも私のルールです。

ブログを書くのが大好きなんですが、なかなか時間が取れなくて困っています。正確にいうとプライベートの家族と過ごす時間は十分あるのですが、ブログを書くような1人の落ち着いた時間がなかなか確保できません。

子供が寝ている間が貴重な自分の時間になります。

「子供としっかり遊んで疲れさせてご飯やお風呂の世話をして寝かしつける」という親としてあるべき行動をした後「ブログを書く」というご褒美が待っている状況です。今、まさにその状況です。

この場合、「ブログを書く」が「活動性強化子」に該当します。

活動性強化子を上手に活用するために

活動性強化子を活用して行動を強化するためには、プレマック原理を利用して「好きな活動」と「習慣化したい活動」をセットにすると効果的になります。

自分が「好きな活動」が何かを理解する必要があります。好きな行動を理解するためには、自分が何に時間を使っているかを考えるととても良いです。行動記録を残すのも良し、日記をつけるのもよし、スマホのスクリーンタイムを活用するのも有効です。

自分が好きな活動、自分の意思で時間を割いている行動を発見し、自分が習慣化したいと考えている行動とセットにすることで、良い習慣を身につけやすくなります。

ぜひ取り組んでみてください!

参考用語集

強化とは

強化とは、行動の直後の環境変化によって将来的なその行動の生起頻度が上がる現象です。

強化子とは

反応の後に提示・除去されることで、その反応の生起頻度を増加させる機能を持つ刺激です。

参考文献

行動分析学の参考文献

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