なぜ、雨男や雨女と言われる人がいるのか?【利用可能性ヒューリスティック・確証バイアス】

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【質問】なぜ、雨男や雨女と言われる人がいるのでしょうか?

雨男や雨女と言われる人がいます。その人たちの話を聞くと、確かに大切なタイミングで雨が降ることが多いようです。偶然とは思えないのですが、そのようなことは科学的にありえるのでしょうか?

【回答】利用可能性ヒューリスティックや確証バイアスにより、雨男・雨女というイメージが定着していることが考えられます。

天気は地域や季節で決まるものであり、個人の運で決まるものではありません。なので、理屈上、雨男・雨女というのはあり得ません。ただ、事実として、今までの人生の大切なタイミングで雨ばかりの人というのは一定の確率であり得ます。この人達が雨男・雨女と言われていると考えられます。

大切なタイミングで雨が降るイメージが「利用可能性ヒューリスティック」につながり、「確証バイアス」によりそのイメージが強化され、雨男・雨女が定着します。

雨男・雨女について認知科学的に考える

雨男・雨女について、認知科学的に考えます。

まず、人生の大切なタイミングで雨が降ることは、誰しもが一定の確率であり得ます。一定の確率であり得る以上、運が悪い人は何度も雨に遭遇します。

運が悪い人は自分の中で「大切な日に雨が降る」

という思い出が積み重なります。そして、雨の思い出が積み重なることにより、雨の思い出を思い出しやすくなります。そんな状態で雨男・雨女の話題になると、自分が運悪く経験した雨の思い出が蘇り、自分が雨男・雨女かもしれないという自己イメージが出来上がります。「思い出しやすいことはよく起きること」と考えることを「利用可能性ヒューリスティック」と言います。

「利用可能性ヒューリスティック」によって「自分は雨男・雨女である」という自己イメージが出来上がると、「確証バイアス」によりそのイメージが強化されます。「確証バイアス」は「自分が正しいと思う情報を自分の意識とは無関係に集める」というバイアスです。「確証バイアス」により、雨が降れば「自分が雨男(雨女)だから、雨が降った」と考える、雨が降らなければその事実は忘れてしまう。

このようにして、「利用可能性ヒューリスティック」と「確証バイアス」の効果により、雨男・雨女となっていきます。

利用可能性ヒューリスティックとは

利用可能性ヒューリスティックとは、思い浮かびやすい事象は起きやすいと判断する傾向です。

報道などでよく見る話などについて、実際に起きる割合よりも高い割合と考えがちな傾向があります。

 参考記事⇒利用可能性ヒューリスティックとは【思い浮かびやすいことはよく起こる?】

確証バイアスとは

確証バイアスとは、自分が信じたことを裏付けるための情報を集めようとする傾向であり、自分の考えを正当化するための情報ばかり探してしまう現象です。

 参考記事⇒確証バイアスとは【自分を正当化する情報を集めたがる】

雨男・雨女と呼ばれる人は、これからも雨に当たりやすい?

まず、雨男・雨女と呼ばれていたとしても、人間に未来の天気を変える力はありません。過去にそのような傾向があったとしても、それはたまたまであり、統計的に考えて雨男・雨女と呼ばれるほどに天気運が悪い人は一定の割合で存在します。過去に雨が多かったことは事実かもしれませんが、過去の天気運は未来とは何も関係ありません。

結論として、雨男・雨女だろうが、晴れ男・晴れ女だろうが、未来の天気とは一切関係ありません、そんなことを気にする暇があったら、しっかりと天気予報を確認して行動する方が良い結果に繋がる可能性が高いです。

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