認知容易性とは
認知容易性とは、わかりやすいなど認知が容易な情報に対して好意的な印象を持ち、信じやすくなる傾向です。
認知容易性の実例
ストーリーテラー
「ストーリーテラー」と言う言葉をご存知ですか?ストーリーテラーとは「話の上手な人」のことです。ビジネスの場において、何か物事を伝えるときに、筋道を立てて物語のように分かりやすく伝える能力のことであり、近年、リーダーにとって重要なスキルの1つとされています。
何故、リーダーにとって「物語のように分かりやすく伝える能力」が重宝されているのでしょうか?
答えは「認知容易性」の認知バイアスを上手に活用でき、周りの人に影響を与えやすくなるからです。
「物語のように分かりやすく伝える」
→「認知容易性」の認知バイアス
→「好意的な印象」「信じやすくなる」
という流れになります。
図解
物事を文章ではなく、図で示すことを図解と言いますが、この「図解」も最近流行っていますよね。
「図解」が流行っている理由も「認知容易性」による効果を活用するためと考えられます。
「図解」を用いることで「わかりやすい」と感じるようになり、「好意的な印象」「信じやすくなる」という効果につながります。
例え話
例え話が上手な人は、説明が上手だと感じますよね。自分がよく知っている概念に例えてくれると、イメージができて理解しやすくなります。
この「イメージができて理解しやすい」という感覚が「認知容易性」です。
例え話が上手だと認知容易性によって、話の信憑性が増すと考えられます。
百聞は一見にしかず
「百聞は一見にしかず」という格言があります。
「百聞は一見にしかず」、私が大好きな格言の1つであり、まさにその通りだと思っています。
この「百聞は一見にしかず」の信憑性は「認知容易性」によるものと言えます。
「百聞は一見にしかず」は要するに「聞く」より「見る」方が良いということです。これを言い換えると「聞く」よりも「見る」の方がわかりやすいため、「好意的な印象」「信憑性が増す」という効果があると理解することができます。
営業トーク
営業トークをする際に「モノを売る」のではなく「コトを売る」ように心掛けると良いと言われるようになりました。
「コトを売る」とはすなわち、「これを買ったらこんな体験ができますよ」ということを伝えるとです。
この「コトを売る」という考え方は「お客さまが商品を買った後のことを分かりやすくする」ということになり、「認知容易性」を活用した手法と言えます。
「コトを売る」ことにより「認知容易性」のにより、商品に対して「好意的な印象」「信頼性が増す」という効果が発生します。
認知容易性と上手に付き合うために
認知容易性と活用するために理解しておくべきことは、「わかりやすさは武器になる」ということです。
「わかりやすい説明ができる」
「話が上手」
「文章がうまい」
「字が綺麗」
「プレゼンがうまい」
「説明資料を作るのが得意」
これらのスキルは「認知容易性」と相性がよく、これらのスキルを磨くことで「好意的な印象」「信頼性の向上」と言った強みにつながります。
また、認知容易性に騙されないようにするためには「わかりやすい」=「正しい」ではないということを理解することです。
うまい話には落とし穴がありますし、世の中は決してそんなに単純ではありません。