バーナム効果
バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような内容であっても、自分のことを言い当てられたように感じる効果のことです。
バーナム効果の実験
バーナム効果について、心理学者のバートラム・フォラーが1949年に行った実験があります。
性格診断テストを受ける
大学生39人に性格診断テストを受けてもらいました。
全員に同じ結果を返却する
「性格診断テストの結果」として、全員に対して誰にでも当てはまるような同じ内容の文章を返却しました。
結果に書かれた内容が自分に当てはまるか評価する
返却された結果を受け取った学生に対して、その内容が自分に当てはまるかどうかをアンケート調査したところ、多くの学生が「当てはまる」と評価をしました。
バーナム効果の実例
バーナム効果の実例を紹介します。
占い
バーナム効果の代表的なものとして、占いがあります。
占いには「手相」「タロット」「姓名判断」など様々な種類がありますが、いずれにせよバーナム効果を活用したものと言えます。
占い結果として誰にでも当てはまるような内容を伝えられたとしても、自分のことを言い当てられたと感じます。
性格診断
「血液型」や「兄弟姉妹の有無」などで、性格診断をすることありますよね。これも、バーナム効果によるものと言えます。
「○○な性格だが、××な一面もある」
のような言い方は、まさにバーナム効果を狙った言い方です!
世代論
世代論、好きですか?実は私は大好きです。なんとなく納得してしまいますし、当てはまっていると感じてしまいますが、これもバーナム効果の影響があります。
1990年代後半〜2010年に生まれた世代を「Z世代」、2010年以降に生まれた世代を「α世代」と言うそうです。
「○○世代は、××という環境で育ったから△△な傾向がある」
と言われるとなんとなくそんな気がしてしまいますが、よく考えれば世代全員が同じ性格なわけありません。
バーナム効果の影響が高まる条件
バーナム効果の影響が高まる条件として、以下のものがあることが分かっています。
- 被験者がその分析は自分だけに適合すると信じている
- 被験者が評価者の権威を信じている
- 分析が前向きな内容ばかりである
バーナム効果と関連がある認知バイアス
バーナム効果は「誰にでも当てはまるような内容であっても、自分のことを言い当てられたように感じる効果のこと」です。
これはすなわち、「言われたことを、無意識のうちに自分に当てはまると考えようとしている」としていることになり、「自分が信じたことを裏付けようとする傾向であり、自分の考えを正当化するための情報ばかり探してしまう現象」である「確証バイアス」と関連が深いです。
関連記事⇒確証バイアスとは【自分を正当化する情報を集めたがる】
バーナム効果と上手に付き合うために
まず、認知バイアスは悪ではありません。自分に当てはまると考えることによって、モチベーションがあがったり、勇気が出たりするのであれば、自分自身に対してバーナム効果を活用すべきです。
大切なのは「バーナム効果という認知バイアスがある」ということを理解し、占い結果などを過信しすぎないことです。特にネガティブな内容や人生の大きな決断などについては要注意てす。
認知バイアスの存在を理解した上で、自分でよく考えて決断をするように心掛けましょう。
参考文献
⇒ニュートン2023年2月