利用可能性ヒューリスティックとは
利用可能性ヒューリスティックとは、思い浮かびやすい事象は起きやすいと判断する傾向です。
報道などでよく見る話などについて、実際に起きる割合よりも高い割合と考えがちな傾向があります。
利用可能性ヒューリスティックの実例
交通事故の年代別死者数
交通事故の死者数はどの年代が多いと思いますか?
無謀な運転を行いがちな若者でしょうか?アクセルとブレーキを踏み間違えることがある老人でしょうか?登下校中に車が突っ込んでくることがある子供でしょうか?どのパターンもよく報道されるイメージがあります。
交通事故の死者数が最も多い年代、それは高齢者であり、65歳以上の方が約半数です。イメージとあっていましたか?
私はもっと子供の被害が多いと思っていました。自分に子供がいるから子供の事故のニュースに注目しているから事も影響して、利用可能性ヒューリスティックの効果によるイメージと考えられます。
自己破産に繋がった借金のきっかけ
自己破産に繋がった借金のきっかけで、最も割合が多いものは何だと思いますか?
「新型コロナ」「ギャンブル」「医療費」…??
さまざまな理由がありますが、最も多いきっかけは「低収入・収入の減少」であり、割合としては4割ほどになります。
自己破産と聞くと、報道などで目にするのは「ギャンブル」「浪費」や「医療費」「新型コロナ」、「事業の失敗」などをよく見る印象です。しかし、それらの理由よりも「低収入・収入の減少」の方が圧倒的に割合が多いです。
20代の死因
突然ですが、日本の20代の死因で1番割合が多い原因はなんだと思いますか?
「事故」「癌」「心臓麻痺」「白血病」…?
答えは「自殺」で、割合は約半数です。私は調べるまでこの事実を知りませんでした。
「事故」や「病気」については、報道などで具体的なエピソードを見聞きしたことがある気がするのでイメージが湧きやすいですが、「自殺」については私は思い浮かびませんでした。これは、「利用可能性ヒューリスティック」の影響と考えられます。
利用可能性ヒューリスティックに陥らないために
利用可能性ヒューリスティックに陥らないために必要なこと、それは、大切なことはしっかりと数字を確認することが大切です。
今はインターネットがあり、大体のことは調べることができます。印象で割合を想定するのではなく、しっかりと調べて数字を把握して議論・判断をしていくことが望ましいでしょう。
利用可能性ヒューリスティックの参考文献
⇒ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか?【参考文献紹介】