選択的注意とは
選択的注意とは、「自分に必要な情報を自然と取捨選択する」という人間の注意に関する特性です。
人間は、「重要なことはすべて認識できている」と考えがちですが、それは錯覚です。
人間は意識していないものについては、視界の中に入っていたとしても、耳に入っていたとしても、全く気付きません。
そして、気づいていないことにすら気づくことができません。
選択的注意の実験
インターネットで「選択的注意テスト」と検索すると、様々な動画が出てきます。
是非、ご自身で実験を体感してみてください。
人間の能力・特性に驚くと思います。
選択的注意の実例
ながら運転
自動車を運転しながらスマホなどを扱う、「ながら運転」はとても危険と言われています。
なぜ「ながら運転」は危険なのか、「選択的注意」により説明ができます。
人間は、「選択的注意」という特性により、自分に必要な情報を取捨選択しています。
運転中であれば、本来は運転に必要な情報を取捨選択して運転を行っていますが、スマホに気を取られると、スマホに選択的注意が向けられます。
その結果、運転に注意が向かなくなり、事故につながります。
危険予知活動
危険予知活動、通称KY活動をご存知でしょうか?
建設業や製造業に携わっている人でしたら、毎日KY活動を行うことが当たり前だと思います。
いつも何も考えずにKY活動を行っているかもしれませんが、これも選択的注意を活用した活動です。
作業前にKY活動を行うことにより、仕事中の選択的注意が「安全」に向かうことで、実際に安全に作業を行うことができます。
引き寄せの法則
引き寄せの法則という法則を聞いたことがあると思います。
引き寄せの法則とは、「強く願ったり、信じたりしたものは実現しやすい」という考え方のことです。
これも、選択的注意による効果と言えます。
強く願ったり信じたりするということは、選択的注意がその対象に働くことを意味します。
自分が願っていることに選択的注意が向かうことで、些細なことにも気付きやすくなり、結果的に夢が叶う可能性が高まります。
選択的注意と上手に付き合うためには
月並みですが、「かもしれない」という意識を持つことで、選択的注意と上手に付き合うことができます。
「○○なことが起こるかもしれない」
「○○のチャンスがあるかもしれない」
このような意識を持つことで、選択的注意の特性により、危険やチャンスに気付く可能性が上がります。
気付きたいことに気付けるようになるためには、まずはそのことを意識する必要があります。