【質問】結論ありきの議論になってしまうのはなぜでしょうか?
議論をしても、結論ありきで議論の意味がないと感じるときがあります。なぜ、「議論」という名の「儀式」が繰り返されるのでしょうか。
【回答】「確証バイアス」により、反対意見は全く頭に入っていない可能性があります。
人間は誰しもが「自分が正しいと思っている情報を集める」という傾向があり、確証バイアスと言います。確証バイアスにより、反対意見は頭に入りにくくなります。
議論と言う名の儀式について、認知科学的に考える
議論をするつもりで参加した打ち合わせで、いざ始まると結論が既に決まっていて、何を言っても無駄と感じることはありませんか?私はよくあります。「議論」の意味をわかっているのかな?と感じてしまいますが、この事象について認知科学的に考えてみたいと思います。
人間には「自分が正しいと思った情報を集める」という習性があり、その習性を「確証バイアス」と言います。「自分が正しいと思った情報を集める」という習性を裏返すと「自分が違うと思った情報は無視する」となります。このカラクリが、「議論と言う名の儀式」の原因です。「言っても意味がない」と感じる時は、相手は確証バイアスの効果で全く聞いていないと考えた方が良いです。
確証バイアスとは
確証バイアスとは、自分が信じたことを裏付けようとする傾向であり、自分の考えを正当化するための情報ばかり探してしまう現象です。
関連記事⇒確証バイアスとは【自分を正当化する情報を集めたがる】
確証バイアスへの対処法
確証バイアスに対処するためには、まずは確証バイアスという認知バイアスを知ることが大切です。
認知バイアスは本人の意思とは無関係に効力を発揮します。もし、議論を行なっている際に相手が話を聞いていないと思ったら、その議論の相手が確証バイアスを知っているか確認してみるのが良いかも知れません。
もし確証バイアスを知っているようなら、「確証バイアスに陥っていませんか?」と確認するのが良いでしょう。確証バイアスを本当に理解しているなら、自らの行動を反省し必ず話を聞いてくれます。
確証バイアスを知らない相手だった場合は、図解などを用いて議論の内容について、論理的に見える化を図るのが効果的かと思います。確証バイアスは認知バイアスです。認知バイアスは判断の偏りであり、非論理的です。図解などで論理的に話を進めれば、バイアスにより論理的に誤りであることが必ず明確になります。