「平均への回帰」と「ギャンブラーの誤謬」の違い
「平均への回帰」と「ギャンブラーの誤謬」は、一見するとどちらも「同じ結果は何度も続かない」という意味だと感じますが、実際は全く違います。
平均への回帰とは
平均への回帰とは、何度も試験をすれば成績が平均へ近づくことです。
ギャンブラーの誤謬とは
独立した事象の生起確率に、それ以前のパターンが影響すると考えてしまうことです。
コイン投げを例に考える
平均への回帰
「10回コインを投げて、8回表がでました。」
「再度10回コインを投げた時に、8回以上表が出ると思いますか?」
と質問されたら、なんと答えますか?
この質問への回答は「8回以上表が出る可能性は低いです」とするのが妥当です。何故なら、8回以上表が出る可能性は約5.5%しかないからです。
統計的にレアな結果が出ることは稀であり、繰り返し行えば平均的な結果に落ち着く、これが平均への回帰です。
ギャンブラーの誤謬
「8回コインを投げて、8回連続で表がでました。」
「もう一度コインを投げたら、裏が出ると思いますか?」
と聞かれたら、何と答えますか?
コイン投げはランダムなので、表が出るか裏が出るかは本来は五分五分です。しかし、「9回連続で表が出る可能性は低い」と考えて「裏が出る」と予想したくなります。これがギャンブラーの誤謬です。
ランダムな事象てあれば、過去の結果と未来の結果は関係ありません。過去の結果に影響を受けて未来の結果が変わるだろうと考えてしまうことは思考の誤りであり、ギャンブラーの誤謬と言われています。
「平均への回帰」と「ギャンブラーの誤謬」の違いまとめ
コイン投げを例に「平均への回帰」と「ギャンブラーの誤謬」について、解説しました。
「平均への回帰」は統計上確かな事実であり、科学的に正しいです。
一方、「ギャンブラーの誤謬」は「誤謬」であり、科学的に誤りですが、人間の心理として陥りやすい罠と言えます。
「平均への回帰」は科学的に正しく、「ギャンブラーの誤謬」は科学的に誤りであることを理解して見極めることが重要です。