フレーミング効果とは
フレーミング効果とは、物事の判断がその物事をどのように表現するかによって印象や結果が大きく左右される傾向のことです。
フレーミング効果の例
単位を変える
有名な話なので知っているかもしれませんが、「1g」と「1000mg」は物理的には同じ意味ですが、印象としては全く違いますよね。「1000mg」の方が多く感じます。
東京ドーム○個分
これもよく耳にする話ですが「東京ドーム○個分」という表現をよく見ますよね。このように表現することで「あの、大きい東京ドームが○個入る大きさだからとても大きい!」と感じる効果があります。
ただ、東京ドームができた当時は話題性などもあり、「東京ドーム○個分」という表現が、大きさを表す代名詞だったと考えられますが、今は東京ドームの大きさのイメージがわからない人が多くなっている可能性があります。そのため、フレーミング効果が十分に発揮されていない恐れがあります。
ちなみに、東京ドームの大きさは「200m×200m」
程の大きさです。
総額○○円キャンペーン
「キャッシュレス決済」や「クレジットカード」など、様々なサービスのキャンペーンで「総額○○円キャンペーン!」と言った広告を見ませんか?「総額100万円」や「総額1億円」など、とても多額のキャンペーンが増えてきていると感じますが、これもフレーミング効果を狙っています。
総額表示することで表示する金額が大きくなり、「すごく大きな金額がもらえるキャンペーンかな?」という印象を与えることができます。
フレーミング効果の実験
ドベルスキーらが1982年に行った、がんの治療方法の意思決定に関する実験があります。
実験概要
ある患者のがん治療を行うにあたって、手術と放射線治療のどちらを選択するかを調べる実験を行いました。
この時、グループAとBに分け、内容は同じですが表現を変えて説明を行いました。
グループA
グループAに対しては、
「手術をすると、術後1ヶ月の生存率は90%です」
と伝えました。
グループB
グループBに対しては
「手術をすると術後1ヶ月の死亡率は10%です」
と伝えました。
実験結果
生存率を伝えたグループAの方が、死亡率を伝えたグループBよりも、手術を選択する人が多い結果となりました。
表現の違いにより判断が変わることが明らかになりました。
この判断の傾向は、医師においてさえ見られました。
フレーミング効果と上手に付き合うために
フレーミング効果は日常に溢れています。広告などに限らず、「何か情報を得る」という行為は、全てフレーミング効果の影響を受けていると言っても過言ではありません。
そんな中、フレーミング効果と上手に付き合うためには、事実を様々な角度から確認することが必要です。「単位の換算をしてみる」「総額ではなく確率で考える」「95%が○○なら残りの5%は××」など、別の側面、違う角度から物事を考えることで、フレーミング効果によるバイアスを軽減することができます。