現在バイアスとは
現在バイアスとは、所来の利益や損失よりも、目の前の事象を過大に評価してしまう傾向のことです。
現在バイアスの例
貯金と消費
将来のために貯金できていますか?「貯金をする」という行為は、現在バイアスとの戦いと言えます。現在バイアスに打ち勝ち、将来のために頑張ることができれば、貯金が増えす。
現在バイアスに負けて、今を重視した場合は消費が増えることになります。
勉強
勉強は好きですか?私は、今は大好きです。「知らないことを知る」これは私の人生のテーマであり、これ以上の喜びはありません。しかし、学生時代は…勉強は大嫌いでした。
勉強は何のためにするのでしょうか?学生時代は「将来のため」だと思っていました。将来のために必要だとわかっていても、具体的に何がどう必要なのかわかっていない状態で、勉強に身が入るわけがありません。その結果、勉強が嫌いになってしまいました。
勉強は何のためにするのでしょうか?今の私の答えは、「知らないことを知りたいから」です。
トレーニング
運動や筋トレなど、上達するためや健康のために頑張りたいこと・続けたいことが色々あると思いますが、なかなか続きませんよね。この、「続けたいけどできない」という葛藤は、現在バイアスによるものです。
現在バイアスを簡単に言い換えると、「将来の得よりも今の得を過大評価してしまう」という傾向のことです。将来のためになると分かっていても、今、楽することを優先してしまう。これも、現在バイアスです。
現在バイアスと上手に付き合うために
現在バイアスと上手に付き合うためには、自分自身の弱さを受け入れつつ、目指す目標を常に意識して、そこに向かって努力をしながら日々を過ごすことが大切だと思います。現在バイアスはかなり強力です。現在バイアスの影響を全く受けないようにしようとすると、かなりの精神力が必要になりますし、ストイックな決して楽しいとは言えない人生になる可能性があります。人生を全て犠牲にしたとしても達成したい夢・目標がある方はそれでも良いかもしれませんが、普通の人は今も将来もそこそこに幸せな人生を送りたいと考えているはずです。そのためには、現在バイアスを受け入れつつ、目指す目標を意識して努力をできる環境を整備することが必要です。
努力を継続するためには成功体験が大切と言われています。これは、成功を体験することにより現在バイアスに抵抗する力を手に入れることができるためです。「将来のために勉強が大切」「将来のために練習が大切」こんなことは人に言われなくてもわかっています。ただ、頭ではわかっていても実体験が伴っていない場合は、あくまで知識レベルの理解に留まっています。成功体験により勉強や練習の効果を実感することで、「知識レベルの理解」から「体験レベルの理解」すなわち「経験」に変わります。「知識」と「経験」は雲泥の差ですよね。
現在バイアスと上手に付き合うために必要なこと。それは、成功体験を積み重ねて目標へ一歩一歩近づいていることを実感できるようにすること。そうすることで、「将来の目標のために努力する」のではなく「将来の目標へ一歩一歩近づいている今を楽しむ」という意識を持つことができるようになり、今の努力が今の喜びに変わります。
現在バイアスの参考文献
⇒トリガー 人を動かす行動経済学26の切り口【参考文献紹介】